新月のリーディング、芝山つかささん、 ストーリーリーディング
あなたの祈りが参加費です。
新月の祈り-love earth project-
にようこそ。
神様コンシェルジュ新地亜紀です。
新月のリーディング、芝山つかささん、
ストーリーリーディングです。
ストーリーリーディングさせていただいたおとぎ話を、
見えてきたそのまま書き起こさせていただきます。
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昔々、私たちの中に、一人の女の子がいました。
年の頃でいうと、10歳くらいの女の子。
同じ年の子供たちと同じように、
小学校に通い、毎日を過ごしていました。
ただ女の子には、大きな悩みがありました。
それは、彼女が誰かに向けて何か言葉を発する時、
誰もが怪訝そうな顔をすることでした。
自分では、おかしなことを言っているつもりは決してないのに、
友達や先生は、困った顔をしたり、
明らかに不機嫌になったり、
時にはあからさまに怒りをあらわにする人もいました。
女の子が一番辛かったのは、彼女の発する言葉を聞いて、
誰かを傷つけてしまうことでした。
けれど彼女には、どうしてもその理由がわかりませんでした。
(私は、みんなと同じつもりなのに・・・。
どうしてうまくしゃべれないんだろう・・・。)
やがて、学校でも友達の輪に入れなくなった女の子は、
一人ぼっちで孤立していきました。
女の子は、友達や先生だけでなく、
家族の前でも口を閉ざし、
誰の前でも話すことがなくなりました。
自分がしゃべらなければ、誰のことも傷つけることはない。
そう思った女の子は、言葉を忘れたかのように、
〝うなずくこと〟、
〝首を振ること〟、
〝身振り手振り〟、
この3つの動作だけで、
周囲と意思疎通を図ることになっていったのです。
そんな女の子はある日、学校に帰り道で、
観光客かと思われる男女二人の外国人とすれ違いました。
二人とも、彼女が今まで聞いたことのない言語を話しています。
女の子は、その会話を耳にした瞬間、はっとしました。
その言葉のかけらたちは、どこか聞き覚えのあるような、
耳障りの良い響きだったのです。
女の子はとっさに振り返り、二人の外国人の肩を叩きました。
怪訝そうに振り返る彼らに向けて、
女の子は身振り手振りで必死にたずねます。
(あたたたちは、どこの国のひと、ですか?)
けれど、言葉を発しない少女のたずねることが、
異国の観光客に理解できるはずもありません。
首をかしげて困り果てる二人を見て、
女の子は、背負っていたランドセルから、
社会の教科書を取り出しました。
そこに折り込まれていた世界地図を広げて、
女の子は無言のまま懸命にたずねます。
やっと理解した外国人二人は、ある国を指さしました。
その国は、
『E』
という国でした。
その日から女の子は、
『E』
という国の言語を独学で学び始めました。
アルファベットや発音、文法はもちろん、
その国の文化や習慣まで・・・。
その言語はおもしろいように、彼女の頭にも心にも、
染み渡っていくようにどんどんと吸収されていきます。
(もしかして私、
前世はこの国に生まれ育ったのかもしれないな・・・、なんてね。)
そして、その言語を学び始めた女の子に、
不思議なことが起こりました。
他の国の言語を学んで、
言葉のなりたちや意味を理解しようとすればするほど、
今まで彼女の発していた言葉で、
誰かが傷ついたり、
怒っていたのがなぜなのかがわかるようになってきたのです。
女の子は、何百日かぶりに、自分の言葉で、
思ったことをひとりつぶやいてみました。
その言葉はあたたかく、彼女自身の傷を癒すように、
心の内側に拡がっていきます。
女の子の目から、ひとすじの涙が流れました。
その涙が頬をつたい、
やがて冷たくなって乾いていく頃、
女の子の心は暖かい光に満たされていきました。
「おはよう」
「ありがとう」
「ごめんね」
「だいすき」
「またあした」
たくさんの言葉が、今日も女の子の胸で躍ります。
(言葉は、どこに居たって変わらない輝きをもって、
わたしを照らしてくれるんだ。)
そう信じる彼女の足取りは、
空を飛べそうなほど、軽くてやわらかいものだったのです。
おわり
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読んでくださって、ありがとうございます。
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